靴下専門店「靴下屋」を全国に展開する「タビオ」の会長夫妻が車にはねられ、死亡した。

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事故が起きたのは1月6日午後6時半ごろ。
奈良県広陵町の直線道路で、道路を渡っていた越智直正さん(82)と妻の麗子さん(71)を軽トラックがはねたという。

靴下にかける“熱い思い”語り…

女性:
5本指とか、種類が豊富なイメージです。好きなやつを見つけやすいのがいいかなって思います。

男性:
贈り物でたまにあげたりしてました。

越智さんが会長を務める「靴下屋」は年商100億円を超え、海外にも出店する靴下専門店の草分け。
越智さんはその創業者であり、15歳で靴下問屋に奉公に入って以来、“靴下一筋”に歩んできたという。

2007年にフジテレビの取材を受けた際には、靴下にかける熱い思いを語っていた。

越智直正さん(2007年):
他のことを考えるゆとりがない、夢中になってね、僕は靴下のことをやっただけ。
前世は靴下やないかと思いまんのや、わし。

「前世は靴下」とまで語っていた越智さんだが、その足元を見るとなぜか素足。それにはある理由があった。


越智直正さん(2007年):
うちで売る商品はサンプルの段階で足に通して実験しますから。前の靴下の余韻が残ると正しい判断ができないんです。

復興プロジェクトも手掛ける広い活動

活動は靴下作りにとどまらず、東日本大震災の時には自ら復興プロジェクトを立ち上げていた越智さん。

田んぼに津波が流れ込んでしまった農家を助けようと、塩に比較的強いとされる綿花の種を届けていた。
これは、もともと自社栽培の綿花を靴下作りに生かしてきた、越智さんならではの取り組みだった。

越智直正さん(2012年):
100万や200万寄付したって(たかが知れている)。魚をあげるのも尊いけど、捕り方を教える方がもっと尊いと。それで綿花をあげようという発想だった。

6日の事故の後、越智さん夫妻は意識のない状態で病院に搬送され、その後死亡を確認。死因はいずれも心臓破裂だという。

警察は軽トラックを運転していた男を過失運転致死の疑いで逮捕。
「前方の安全確認を怠り、ふたりにぶつかってしまいました」と容疑を認めている。

タビオは葬儀を近親者のみで執り行い、後日お別れの会を行う予定としている。

(「イット!」1月7日放送分より)