12月のFNN世論調査で、岸田内閣の支持率は66.4%。10月の第一次岸田内閣発足以来、3カ月連続で支持率が6割を超えた。好調な支持率の背景を探る。
岸田内閣支持66% 発足以来6割超続く
FNNは、12月18・19日の両日、全国の18歳以上の男女を対象に電話世論調査(固定電話+携帯電話・RDD方式)を実施し、1033人から回答を得た。
岸田内閣を「支持する」と答えた人は、11月の前回調査から3.2ポイント増えて66.4%、「支持しない」と答えた人は4.5ポイント減って26.2%だった。
この記事の画像(13枚)岸田内閣に関する世論調査は、10月以来3回目だが、3回とも6割を超えている。
菅前内閣の終盤は、支持率が厳しい状況にあった。8月調査では、支持32.1%、不支持61.3%。9月調査では、支持42.3%、不支持52.2%。
菅前内閣時代と比べると、岸田内閣の好調さが際立つ。その背景には、新型コロナウイルス対策への評価があるとみられる。
コロナ対策の評価UPが支持率にも影響か
今回の調査で、政府のコロナ対策を「評価する」人は67.7%、「評価しない」人は24.5%だった。
コロナ対策への評価の推移を2021年を通じてみると、岸田内閣が発足した10月に、評価する人が5割を超え、今回、6割を超えた。菅前首相から岸田首相に交代したタイミングで上昇したのは、内閣支持率と同様の動きだ。
新規感染者数の減少を受けて、コロナ対策が評価され、それが支持率の好調さに影響したと思われる。
特に評価が高かったのが、オミクロン株を受けた水際対策だ。
政府は、11月30日から外国人の新規入国を原則禁止したが、これを評価する人は84.3%にのぼった。評価しない人は24.5%だった。
ただ、岸田内閣を支持する人にその理由を聞くと、「他によい人がいないから」が38.4%で、最も多かった。
続いて「実行力に期待できる」が25.9%。「首相の人柄が信頼できる」と「自民党中心の内閣だから」はともに15.2%で、「政策がよい」は3.9%にとどまった。
約8割が「3回目の接種したい」
政府が進める3回目のワクチン接種について聞いたところ、「接種したい」人が78.3%と8割近かった。「接種したくない」人は17.6%だった。(「すでに接種した」は0.3%)
政府のワクチン戦略が国民に受け入れられていることがうかがえる。
新型コロナの感染再拡大を「心配している」人は、「とても」(37.4%)と「ある程度」(50.0%)をあわせると、87.4%にのぼった。「心配していない」人は、「あまり」(10.2%)、「まったく」(2.3%)をあわせて、12.5%にとどまった。
新規感染者数はピーク時より少なくなっても、オミクロン株の動きを受け、感染拡大への警戒感は強い。
年末年始に「帰省も旅行もしない」と答えた人は79.5%、約8割にのぼった。
ただ、感染状況をみた上で「GoToトラベル」を再開することについては、「賛成」が66.4%、「反対」が29.6%だった。
10万円給付 6割が「現金一括給付を」
政府は当初、18歳以下への10万円給付について、原則、年内に現金5万円、来年春頃にクーポン5万円相当を支給する方針だった。しかし、クーポン発行には事務費がかかるなど、自治体に負担がかかるため、批判の声が出て、岸田首相は方針を転換し、現金10万円の一括給付を認めることなった。
これについて、「現金でまとめて給付すべき」という人が最も多く61.9%。「2回とも現金で給付すべき」は10.2%で、政府の当初方針のように「現金とクーポンで給付すべき」は5.5%にとどまった。こうした世論に、岸田首相は方針転換を余儀なくされたものとみられる。
一方、「10万円を給付すべきでない」と答えた人は19.8%だった。
一方、来年中国で開かれる北京五輪の「外交的ボイコット」について聞くと、「するべきだ」と思う人が45.4%、「するべきでない」と思う人が44.1%と意見が分かれた。
泉健太代表の立憲 期待しない57%
一方、代表が枝野幸男氏から泉健太氏に代わった立憲民主党に期待するか聞いたところ、「期待している」人は、「とても」(6.6%)、「ある程度」(28.0%)をあわせて34.6%だった。
一方、「期待していない」は、「あまり」(34.3%)、「まったく」(22.9%)をあわせると、57.2%にのぼった。
政党別の支持率を見ると、野党の支持率トップは日本維新の会で、立憲民主党は、これに及ばない。維新の後塵を拝するのは、11月に続いて2回目だ。
2022年は参院選の年だ。10月の衆院選敗北の教訓を生かして、立憲民主党の党勢を回復することができるのか。泉代表は、厳しい党運営を迫られる。
(フジテレビ 報道局政治部 編集委員 三嶋 唯久)