2020年度のふるさと納税の受入額が135億円を越え、自治体別で3度目の日本一となった宮崎県都城市。ふるさと納税を活用した市の取り組みを取材した。

過去最高135億2500万円 3度目の全国1位に

都城市は、肉と焼酎を返礼品の柱にふるさと納税を展開している。

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2014年10月にふるさと納税の返礼品を大幅リニューアルして以降、毎年受入額を伸ばし、6年間で合わせて527億円の寄付を受け入れた。

2020年度、都城市の受入額は過去最高の135億2500万円となり、自治体別で3度目の全国1位に輝いた。

都城市 ふるさと納税担当・小岩屋芳郎副課長:
本市のイメージや特産品の魅力を分かりやすく寄付者の方に伝えられていることが、(受入額が増えてきた)要因かと思っております

ふるさと納税の返礼品はすべて都城市で生産・製造されたものだけを採用していて、現在、129の事業者から提供されている。地域経済の活性化にも大きく寄与している。

都城市 ふるさと納税担当・小岩屋芳郎副課長:
ふるさと納税が伸びることによって、事業者さまの収益の一部につながるということで、ありがたいというような声は多くいただいているところでございます

人気返礼品のカステラ コロナ禍の菓子店の収益に

明治32年創業の老舗和洋菓子店「コジマヤ」。新型コロナウイスルにより、これまで経験したことのない大きな影響を受けた。

和洋菓子のコジマヤ・平岩良介専務:
東京駅とかにも商品を卸したりしていて、取引が一旦停止してしまって。結婚式の(引き出物などの)仕事も一旦中止という形になり、その分の人を雇っていたということもあり、かなり負担となってきつい状況でした

この窮地を救ったのがふるさと納税だった。

コジマヤは返礼品として、カステラやチーズ饅頭などを3年前から提供していて、特にカステラは人気で、ふるさと納税のポータルサイト「さとふる」のカステラ部門で、全国2位となっている。

和洋菓子のコジマヤ・平岩良介専務:
毎月ふるさと納税の返礼品の寄付を頂いて、コロナできついところもありましたけど、その分、ふるさと納税による収入があったので良くなったかと思います

都城市では、コロナ禍で地域の活性化を図ろうと、ふるさと納税の全国PRに力を入れた。

地元出身の俳優・温水洋一さんを起用したPR動画を制作したり、返礼品の福袋を作ったり、いろいろな取り組みを行っている。

都城市 ふるさと納税担当・小岩屋芳郎副課長:
事業者支援という視点からも、コロナ禍の影響で行き場を失った特産品というのも出てきている状況もありましたので、そういった特産品をまとめて「特別企画の返礼品」という形で出す、といった取り組みも行いました

こうした取り組みによって集まった寄付金は、どのように活用されているのか。

寄付金は子育て支援や道の駅整備などに活用

――ふるさと納税で都城市が日本一になったことはご存知ですか?

都城市民:
はい、知っています

――寄付金の使い道については知っていますか?

都城市民:
知りません

――使い道についてご存知ですか?

都城市民:
いえ、全然知りません。今聞いてから何に使われているのかなと思いました

都城市 ふるさと納税担当・小岩屋芳郎副課長:
子育て支援や環境支援など、8つの項目で寄付をいただいております。それらの目的に応じた事業に大切に活用させていただいているところです

都城市は2021年度、236の事業に寄付金を活用。特に寄付する際に希望の多い子育て支援については、「子ども医療費助成事業」や「小中学校空調整備事業」など110の事業に使われている。

このほか、大幅なリニューアルへ向け起工式を終えたばかりの道の駅 都城の整備費用などにも利用される。

官民一体となって取り組むふるさと納税。都城市では、これからも力を入れていくとしている。

都城市 ふるさと納税担当・小岩屋芳郎副課長:
本市は「日本一の肉と焼酎のふるさと都城」を全国にPRするために取り組んでおりますので、今後も肉と焼酎、魅力ある返礼品をしっかりと全国の皆さまに届けていきたいと思っております

(テレビ宮崎)

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