海外の日本人帰国困難に?感染対策の一手

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世界で拡大し、日本国内でも2例が確認された「オミクロン株」。国内でのまん延を防ぐために打たれた一手が「国際線の新規予約停止」です。

国土交通省は1日から今月31日まで、日本に入国する国際線の新たな予約の停止を航空各社に要請しました。予約の停止には、海外にいる日本人も含まれます。国交省は「オミクロン株についての情報がある程度明らかになるまでの緊急的な異例の措置」とし、日本人の帰国需要に対応した工夫ができないか検討しているといいます。

この対応をめぐって、『めざまし8』に出演した橋下徹氏が「憲法違反にあたる」と厳しく非難しました。

橋下氏「完全に憲法違反」

橋下徹弁護士:
法的には完全に憲法違反です。外国人を水際で止めるというのは感染対策上しかたがない。
日本国民を入国拒否するというのは絶対あってはならないですよ。タイタニックの映画と同じで、みんな逃げるために船底にいる人が上にあがらないように扉を閉めちゃうと。
我々、日本国内の安全を守るために外にいる同胞の入国拒否するのは完全に憲法違反で、本来であれば政治行政の実務上大変なことがあるかもしれないけれども、日本国民の入国を認めた上で、日本国内で隔離をすべき、犯罪者でも入国拒否はできません。犯罪者でも日本国民は1回入国させて日本の刑務所に入れる。同胞が海外で困っているときに、紛争などで日本の国に逃げ込みたいっていうときにゲートを閉めるってどんな国なんですか。
北朝鮮の拉致問題解決とかブルーリボンバッジをつけて大騒ぎしている国会議員、これなんとかしろと。海外にいる日本国民、帰りたい人を戻せない日本の政治が、拉致被害者を取り戻せるわけがないじゃないですか、憲法学者も政治家も国会議員も憲法を考えて絶対あってはならないことですよ、朝から怒りまくってます。

水際対策の有効性と在外日本人の安全

この問題について、視聴者からは「国際線予約停止は全く正しい。国民の生命を守るのが国家の第一の義務。人権とかで惑わされてはいけない」「こりゃかわいそうだけど仕方ない、水際対策を考えれば」などの意見が寄せられました。

橋下氏「国内で隔離を行うべき」

これに対し橋下氏は改めて帰国を認めた上で国内で隔離を行うべきだとの考えを示しました。

橋下徹弁護士:
こういう考え方は怖いですよ、これ本当に。海外にいる同胞を日本国家がいざというときに助けないということになるんですから。例えば猶予期間を決めて1カ月後とか2カ月後とか、そこからは場合によっては入国を制限することがあるけれど、でもそれも国内に入れて隔離が原則なんです。感染していない人も全部入国拒否ですよ。僕は隔離は賛成です、感染拡大防止策は賛成、日本国内でやらないと、日本国民を外に放り出してどうするんですか。

ーー1人の命を守るのか、大多数の命をという考え方は
非常事態宣言も出てない、1人の命を守るか、大多数の命を守るかというのは、1人、少数者の権利を守るのが憲法です。権力がそこを侵してはいけない。ルールも何もない中で海外に日本人を放り出す国に税金を払うのは頭にくる。
 

追記:
松野官房長官は2日の記者会見で一律の予約停止の要請を取りやめたことを明らかにしています。「一部関係者に混乱を招いた」として「国交省から、新規予約の一律受け付け停止の要請を取りやめ、日本人の帰国需要に十分配慮するよう航空会社に改めて通知した」と述べています。

(めざまし8・12月2日)