予約困難の“インフルワクチン”

「インフルエンザの予約もかなり困難。息子の予約を取るのに50回も電話したわ。」
今、親たちの悲鳴が相次いでいます。

日本感染症学会が9月28日に発信した、インフルエンザに関するメッセージ。
「今年はインフルエンザが大きな流行を起こす可能性もあります」という発表がきっかけの1つとなり、インフルエンザワクチンの接種に予約が殺到、ワクチンの供給にも遅れが出ています。

めざまし8では、インフルエンザの流行の可能性やワクチン供給不足の理由について専門家の意見を聞きました。

ワクチン供給の遅れ…考えられる理由とは?

18日、都内の病院を訪れると、インフルエンザワクチンの接種を受けている子供の姿がありました。

大川こども&内科クリニック 大川洋二院長:
2週間ぐらいでやらないと、なくなるかもしれないので。

12歳以下の子どもは2回の接種が必要になりますが、2回目を受ける際にワクチンが足りなくなっている可能性があるといいます。
大川こども&内科クリニックでは、10月から12月までのインフルエンザワクチンの接種予約を受け付けていましたが、10月分から予約を制限。さらに、11月分の予約は受け付けないといいます。

なぜこのような“ワクチン不足”とも言える状況になっているのでしょうか。

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9月10日、厚生労働省は、「今年は、10月第5週の時点では全体の65%程度の出荷量にとどまります。一方で11月から12月中旬頃まで継続的にワクチンが供給される見込みです」と発表し、各都道府県に対してインフルエンザワクチンの供給が遅れると通達しました。
世界的に原料が不足している上、ワクチン製造で使う部品が新型コロナ用に回され確保が難しくなっていることから、供給が遅れる見通しだといいます。

さらに、大川こども&内科クリニック大川洋二院長によると・・・。

大川こども&内科クリニック 大川洋二院長:
ワクチンそのものが、製造そのものが遅れていて、少ないために入手困難になっている。
従来10月、11月は一番希望者が多く殺到して、この時期に予約そのものを少し制限せざるを得ないという状況になっております。今年は、ワクチンを接種する人は例年の半分くらいの状況です。

製造が遅れている影響で予約を制限していることを明らかにしました。

インフルエンザ流行の可能性は?コロナと同時流行も?専門家が解説

インフルエンザの患者数は例年1000万人程度とされていますが、昨シーズンは1万4000人。
どうしてここまでインフルエンザの患者が減少したのでしょうか。

新型コロナウイルスの流行でわたしたちが感染対策をしっかりやるようになったこと、
コロナウイルスとの干渉があったのではないか、といった様々な理由が挙げられています。

そして、インフルエンザが今シーズンなぜ流行する可能性があるのか――。

日本感染症学会によると、前のシーズンがほとんど流行しなかったことから、集団免疫が形成されていない可能性があることによるもの、インドとバングラデシュで今年の夏にインフルエンザが流行したことにより、世界中にウイルスが拡散される懸念があることが理由として挙げられるそうです。

この冬のインフルエンザについて、川崎医科大学の中野貴司教授は・・・。

川崎医科大学 中野貴司教授:
感染症一般として、かかった方が少ないシーズンがある程度あると、その病原体の洗礼を受けていない方が増えるわけですね。そこにたまたま病原体が入り込むと、その病原体に対して免疫を持たない人が発症します。ということは患者数が増えるわけです。
元々インフルエンザは流行拡大すると沢山の患者さんがでますから、注意はもちろん必要です。ただ今シーズン大きな流行になるかどうかは正直それは分かりません。どっちかは分からないと思います。

インフルエンザへの注意を促しつつも、インフルエンザの流行の可能性は不明であると言及しました。

さらに、中野貴司教授によると、インフルエンザとコロナウイルスの同時流行はあり得るといいます。
新型コロナとインフルエンザの患者の症状は、ともに発熱や咳の症状なので区別がつきにくい上に、インフルエンザが流行すると患者が増加して、医療現場が逼迫する恐れも・・・。

基本的な感染症対策でインフルエンザ予防を

では、インフルエンザへの対策については、コロナでしっかり学んだ基本的な感染症対策で大丈夫なのでしょうか。

川崎医科大学 中野貴司教授:
はい。感染症対策はコロナで初めて始まったわけではなく、他の病原体も同じ事だとおもいます。ぜひこのコロナでつけたノウハウを今後活かして頂きたいと思います。

新型コロナの新規陽性者数が減少傾向にある日本。
気を緩めず引き続き感染対策をして、インフルエンザの感染者数も最小限でとどめたいものです。

(「めざまし8」10月19日放送)