新型コロナウイルスの第5波に見舞われている中、山陰地方では2学期が始まるころに合わせて小中学校や保育施設で子どもが感染するケースが相次いでいる。
さらなる感染拡大を防ぐには?感染症に詳しい小児科の医師に聞いた。

鳥取・米子市の児童クラブで9月初旬、児童を含む7人のクラスターが発生したほか、市内3つの小学校でも感染を確認。松江市の保育施設でも園児含む8人の感染が確認されるクラスターが発生するなど、山陰両県で子どもの感染が相次いでいる。

この記事の画像(13枚)

デルタ株は「教室に1人いたら全員感染」

子どもが感染しないために、また感染した場合はどのような対応が必要なのか?
様々な疑問に応えていただくのは、島根大学医学部附属病院の小児科医・竹谷健教授。島根県のコロナ対策本部会議のメンバー。

街の人:
子どもがかかったときに、大人より症状が重たくなったら心配

ーー子どもの重症化リスクは?またどんな症状が出るのか?

島根大学医学部小児科・竹谷健教授:
子どもはほぼ無症状か軽症です。コロナウイルスをキャッチする受容体が発現していなくて入りにくいとか、免疫の問題も言われていて、はっきりとはわかっていないが、事実としては無症状か軽症

厚生労働省によると、子どもの重症化リスクは30代を基準とすると、10代は0.2倍、10歳未満は0.5倍とされ、実際に重症化した例は少ないという。

ただ9月に入り、大阪で基礎疾患を持つ10代後半の男性が20歳未満としては国内で初めて死亡した例もあり、基礎疾患がある場合は重症化リスクが高まるため、注意が必要。

一方、症状についてのギモンも。

街の人:
デルタ株は子どもも重症化すると聞いているので心配

島根県によると、感染者のデルタ株の割合は7月の31.8%から、8月は86.1%に急上昇している。

ーーデルタ株と子どもの関連は?

島根大学医学部小児科・竹谷健教授:
今のところ、国内外のデータで(重症化するというのは)証明されていない。アルファ、デルタ、ミューなどあるが、子どもの症状はほとんど無症状か軽症

ただその感染力の強さは、相当なものがあるといわれている。

島根大学医学部小児科・竹谷健教授:
いわゆる俗に言う水疱瘡と同じぐらいと言われていて、教室に1人いたらみんなうつります。その空間にいたら必ずうつるという強い感染力

続いてはワクチンに関するギモン。

街の人:
(ワクチン接種可能年齢が)12歳以上になってからそこまで時間が経ってなくて、大人と子どもで差があるのかわからない

国はファイザー製、モデルナ製ともに接種可能年齢を12歳以上に引き下げている。鳥取県の1回目ワクチン接種率は12歳から19歳で41.4%となっている。(島根県は非公表)

ーー子どもへのワクチンの効果・副反応は?

島根大学医学部小児科・竹谷健教授:
まず効果については大人とまったく一緒です。まったく一緒。効果は変わりませんし、副反応はほぼ20代と一緒です

効果・副反応ともに大人と同じで、9割以上症状を抑えるというデータもあるという。

子どもを守るのは大人しかできない

ワクチンを接種できない12歳未満の子どもを持つ母親からは、「ワクチンを打てない子どもはどのように防げばいいのか」というギモンも。

マスクや消毒といった感染対策の徹底のため、大人の指示の出し方に「ひと工夫」を呼びかけいる。

島根大学医学部小児科・竹谷健教授:
マスクはもうみんな着けているので、具体的に「鼻隠せ」って言うんですよ。感染するのも鼻からが一番感染しやすいので。手洗いも「手洗いして」っていうだけではもうだめなので、登下校の時と教室入る時に「手を洗って」と言えばいい

そして、子どもを守るために最も必要なこととは?

島根大学医学部小児科・竹谷健教授:
子どもを守るのは大人しかできない。大人の使命なので、防ぐには感染対策しかないので、それを徹底するのは大人がどれぐらい覚悟を持ってやるかということ

(TSKさんいん中央テレビ)

TSKさんいん中央テレビ
TSKさんいん中央テレビ

鳥取・島根の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。