この1年でマグニチュード4以上の”余震”208回

東日本大震災を引き起こしたマグニチュード9.0の地震の影響は10年が経過した今も続いている。

政府の地震調査委員会は今後も長期間にわたって余震は続くとして強い揺れや高い津波に注意するよう呼びかけている。

東日本大震災以降の地震活動は全体としては震災前に戻りつつあるものの、10年が経過した今も1年あたりの地震の回数は依然として震災前より多い状態が続いていて、2月13日には福島県沖でマグニチュード7.3、最大震度6強を観測する規模の大きな地震も発生した。

福島・二本松市  2月14日
福島・二本松市  2月14日
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気象庁は東日本大震災の震源を中心に、岩手県から千葉県の沿岸と沖合を含む東西約350キロ、南北約600キロの範囲を「余震域」と定めて地震活動をまとめている。

この1年間に余震域内で発生したマグニチュード4以上の地震は208回で、震災直後1年間の5387回と比べて25分の1以下にまで減少している。

一方、震災前の年間平均回数の138回と比べると約1.5倍となっていて、地震活動は活発な状況だと分析している。

この1年で岩手県・宮城県が東へ5センチ

また国土地理院によりますと、東日本の広い範囲で10年前の巨大地震の影響とみられる地殻変動が引き続き観測されている。

本震の直後には東北や関東地方などで大きな地殻変動が観測され、宮城県の牡鹿半島では5メートル以上東へずれ動き、1メートル以上沈み込んだ。

10年経過した今は動きは緩やかになっているが、この1年間でも岩手県や宮城県で最大で東へ5センチずれ動いていて、沈み込みは隆起する動きに変わっているという。

地震調査委員会の平田委員長は会見で「こうした状況は今後少なくとも10年は続く」と発言している。

その上で10年前のようなマグニチュード9クラスの超巨大地震はしばらく起きないと分析している一方、東北沖の日本海溝沿いの領域はもともと地震活動が活発で、ひと回り小さなマグニチュード7を超える規模の大きな地震は今後高い確率で発生するという見解を示している。

大きな揺れや高い津波をもたらす地震が発生する可能性がある具体的な領域については、10年前の地震で大きく破壊された震源域の北側にあたる三陸沖や、震源域から沿岸寄りの宮城県沖
震源域の南側の房総沖の地震としている。

「アウターライズ地震」揺れは小さいが高い津波の恐れ

また日本海溝より東側を震源とするアウターライズ地震による大津波の危険性も指摘している。

過去の事例からプレート境界で海溝型の巨大地震が起きたあとに、海溝軸の外側で規模の大きな
地震が起きることが多いと言われていて、震災の直後や2013年10月26日にマグニチュード7を超える地震が福島県沖の日本海溝の外側で起きている。

しかし、地震調査委員会は「震災後の本当のアウターライズ地震と大津波はまだ起きていない」という見解を示し、今後日本海溝の東側で、大津波を発生させるアウターライズ地震が起きる
可能性がある
としている。

アウターライズ地震の特徴は沿岸部から遠く離れた沖合が震源となるため、陸では大きな揺れは
観測されず
に油断していると、あとから高い津波が襲ってくるという。

1933年の昭和三陸地震はアウターライズ地震とされていて、三陸海岸から200キロ以上震源が離れていたため、岩手県で最大震度は5程度の揺れだったものの、その後30メートル近い高さの
津波が襲い3000人以上が犠牲になった。

地震調査委員会は10年が経過しても余震が続く震源周辺では、次の地震発生のエネルギーをたくわえ続けている領域があり、規模の大きな地震やアウターライズ地震による津波のリスクは高まっていると分析している。

揺れがそれほどでなくても油断することなく、津波警報が発表された場合は速やかに高台などに
避難するよう呼びかけている。

さらに日本では、いつどこで地震が起きてもおかしくないことを前提に、東北沖だけでなく全国であらためて地震や津波に対する備えを確認するよう呼びかけている。

長坂哲夫
長坂哲夫

フジテレビ社会部 気象庁担当