バス車内でテレワークしながら目的地へ
テレワークが急速に普及する中、交通機関もこうしたサービスを提供し始めている。
JR東日本は2月1日から、東北新幹線に“テレワークが可能な車両”を設ける実証実験を
スタートさせた。
一方、東急バスでは、バス車内で仕事をしながら目的地まで過ごすシェアオフィスバス
「Satellite Biz Liner」を、2月16日から実証運行することを発表した。
(関連記事:車両内でウェブ会議もOK! 「新幹線オフィス」の実証実験をJR東日本が開始…利用者の感想を聞いた)
この記事の画像(7枚)このシェアオフィスバスは、横浜市内と東京都心間を1日1往復するもので、車内は快適に仕事できる環境が用意されている。USB充電ポートや無料Wi-Fiが利用でき、膝の上でノートパソコンを広げて作業するのに役立つトレイ(Yogibo「Traybo2.0」)もレンタルできる。
運行区間は、新羽営業所・市が尾駅・たまプラーザ駅~渋谷駅・東京駅南口。 朝便は、新羽営業所を8時20分に出発し、東京駅南口には10時45分に到着。
夕方便は、東京駅南口を16時25分に出発し、新羽営業所には18時25分に到着。
期間は、2月16日(火)~4月28日(水)の平日のみ。
料金は、例えば、市が尾駅から東京駅南口までなら大人は片道1600円。たまプラーザ駅から渋谷駅までなら大人は片道1000円。
朝便は7日前から当日の8時20分まで、夕方便は7日前から16時25分まで予約ができる。
通勤時間をテレワークに活用することで、より効率的な働き方につながる可能性があるが、実際、バスに乗りながら快適に仕事することはできるのか?東急バスの経営企画室に話を聞いた。
新たな生活様式に対応するサービス
――なぜこのサービスを始めた?
Withコロナの長期化に伴い、従来のオフィスに出社する通勤スタイルから、リモートワークを組み合わせた仕事の進め方が普及しつつあることを踏まえ、新たな生活様式に対応したサービスに対するニーズがあるのかを把握するため、東急株式会社が実施する沿線型MaaSの実証実験「DENTO」と連携した取り組みとして実施しております。尚、「DENTO」サービスからご購入いただいたお客さまには、運賃割引等のサービスもございます。
――通常のバスの座席との違いは?
左右2列ずつの4列シートで38人乗り、成田空港連絡バスで使用されているリムジンバスタイプの車両です。車内でFree Wi-Fiと充電用のUSBポートをご利用いただけます。また、化粧室もございますので、渋滞等で運行時間が多少長くなった場合でも、安心してご乗車いただけます。
就業時間を想定したダイヤに
――仕事用ならではの特徴は?
車内でPCを使用しやすい環境を提供するために 、数に限りはありますがYogiboの 「Traybo2.0」を車内で貸出いたします。
バスの乗車と同時に就業時間が開始し、降車と同時に就業終了となることをイメージし、一般的にいわれる就業開始時刻にお住いの最寄り駅を発車し、終了時間に到着するダイヤとしております。お勤め先にもよりますが、移動時間に仕事をし、就業時間とみなされれば、時間を有効に活用いただけるサービスと想定しております。
――通常のバスで電話するのはマナー違反となるが、このバスではリモート会議や電話しても大丈夫?
消音設備等は備えていないため、ご遠慮いただいております。
――バス走行中、時には机がガタガタすることもあるのでは?
バスに備え付けのテーブルはPCの利用を前提とした設計になっていないため、数に限りはありますがYogibo「Traybo2.0」を車内で貸出しいたします。膝の上に置いていただくことで、走行中の車内でも安定をしてPC作業が可能です。
ニーズが確認されれば本サービスへの移行も検討
――バス走行中の仕事で、バス酔いの心配はない?
一般路線バスとは違い、高速走行用のリムジンバスでございますので、快適にご乗車いただけると考えております。個人差はあるものの、バス酔いをしてしまうようなことはあまり無いと認識しております。
――値段は少し高いように感じるが…?
同一区間を鉄道で移動した場合と比較し、+750円~1,000円程度で、JRのグリーン料金よりも少し高い水準となっておりますが、今後本運行となった場合の採算性も意識した水準となっております。
――予約状況は?
すでにご予約をいただいております。
――実証運行前に試乗した人の感想は?
車両に試乗した限りは、座席前後の間隔にはゆとりがあり快適です。Yogibo 「Traybo2.0」を使用すれば、膝のうえで安定してPCの操作ができるので、快適に仕事ができる環境ではないかと思っております。
――人気が出た場合、運行路線や本数を増やす予定は?
ニーズが確認されれば本サービスへの移行も検討してまいりますが、本サービスとする場合の時期や運行の概要ついては未定でございます。
ニーズが確認されれば本サービスの移行も検討するということで、通勤時間も就業時間にする新しい働き方となっていくのか。実証運行を含めた今後の動向に注目していきたい。