第3波で「東京で1日に600人に」

いよいよ"第3波”の到来なのか。
それを裏打ちするように、11月11日 東京都の感染者数は317人となった。300人を超えるのは、8月8日以来となる。

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佐々木恭子アナウンサー:
今後どこまで増えていくのか、大変気になります。
11月10日の東京都医師会の記者会見でのこちらの発言です

東京都医師会:
293人という数字がそのまま続くと、4週間後には600人。1日あたり600人になるという数字ということはご理解いただきたい

佐々木恭子アナウンサー:
11月11日の感染者数が317人です。東京都医師会によると「このペースで増えていくと、4週間後には600人を超える」、これが少しずつ現実味を帯びてきているのです

加藤綾子キャスター:
このまま対策を取らないというのは、このまま生活するということですよね。
これまで東京では8月1日の472人が最多の感染者数ですが、600人って衝撃的な数字ですよね

住田裕子弁護士:
欧米の最多更新を聞いていたので、日本、東京でも、このまま秋冬に向かって増えるんじゃないかと懸念していました。本当に気をつけなくてはいけない衝撃的な数字です

佐々木恭子アナウンサー:
なぜこの”600人”という数字が出てきたのか、根拠は1週間平均の数字にあるんです。
東京都医師会が発表した根拠ですが、東京都の感染者の予測が、11月10日までの1週間の平均は約224人でした。先週の時点では、この週平均は174人です。
ここを計算すると、1週間で約1.29倍増加したと考えます。

これが1週間ごとに1.2倍ずつ増えるとすると、4週間後には600人になるだろうという根拠をもって警告が出されたわけです

加藤綾子キャスター:
感染症に詳しい東京歯科大学の寺島毅先生にリモートで伺います。
寺島さん、11月11日の東京都での感染者は317人ということで、4週間後には1日の感染者が600人の可能性があるということなんですが、どうご覧になりますか

東京歯科大学・寺島毅先生:
現在の感染者数とこのペースが続けば、600人まで行くこともあり得ると思います。
9月、10月と微増微減でバランスが取れていましたが、ここ1、2週間はしっかりとした増加に傾いています。
おそらく人出や、少し気の緩み、そして空気の乾燥などの要因が加わってのことだと思います。
これが600人にならずに減少に転じるには、今のところは個人の対策…行動変容やいま一度気をつけるということに頼ることが大きいと思います

大阪、北海道でも…

加藤綾子キャスター:
確かに、いま人の行き来が活発になっていますし、ここ数日間で一気に空気も乾燥してきたなという実感がありますよね

佐々木恭子アナウンサー:
これから換気も難しくなってくる季節ですが、やはりここでもう一度 気を引き締め直すということだと思います。
そして、感染拡大が心配されているのは東京だけではありません。
大阪でも、11月10日に過去2番目に多い226人の感染者が確認されました。
吉村知事は11月10日の会見でこう述べています。

大阪府・吉村洋文知事:
都市部である大阪は、確実に増加傾向にあるというふうに思っています。
今まさに第3波に入っているという認識です

佐々木恭子アナウンサー:
この”第3波かも”というのは、吉村知事のみならず、日本医師会からも「もしかしたら、もう第3波と見てもよい」という発言がありました。
全国の感染者数を見てみると、確かにこの4月、5月のあたりが第1波と考えられて、そして第2波が8月、9月のあたりに来ていると思われます。
ここから、この増えているグラフを見るともう第3波なのかもしれません

加藤綾子キャスター:
第3波にみえますよね

佐々木恭子アナウンサー:
そして、一足先に第3波が来ていると思われるのが北海道です。
11月11日 北海道では新たに197人の感染者が確認されました。
北海道は少し波の時期が違っています。第1波は3月から4月あたりです。そして、5月に第2波が来ていると思われます。
この第1波、第2波とはまったく段違いの増え方で、いま増えてしまっています

加藤綾子キャスター:
GoToとかでも、北海道に行かれる方が多いことも要因なんですか

佐々木恭子アナウンサー:
やはり、いままで行けなかった分、いま行きたいと思っての移動が増えているとは思います。
この第3波の発信源になっていると思われるのが、札幌市です。
11月10日までの1週間、人口10万人あたりの新規感染者の平均を見ていきます。
東京都、大阪府、北海道全体の数字と比べると、札幌市だけで37.60人で、他の地域と比べても突出して多いです。

この原因としては、やはり気温が急に低下して換気が難しくなっていること。GoToキャンペーンで訪れる人が多いこと。また、10月末のハロウィンなどもあったかもしれません

加藤綾子キャスター:
少し前から、年末にかけてはイベントごとが多くなる季節でもあるんですよね。
寺島さん、札幌市での第3波の急拡大の原因はどうご覧になっていますか

東京歯科大学・寺島毅先生:
大都市では飲食店や接客業でのクラスターから、他のお店や家庭内、医療機関というパターンはこれまでもありました。いまの北海道は、寒さと乾燥が加わって一層広がりやすい状況にあるのではないかと思います

加藤綾子キャスター:
これは今後、東京都でも札幌市のようなことが起きる可能性というのはあるのでしょうか

東京歯科大学・寺島毅先生:
あると思います。今後東京でも気温が下がり空気が乾燥してくると、ウイルスにとっては好条件で、人にとっては不利な条件になってくると思います

加藤綾子キャスター:
本格的な第3波が東京でも始まったときに、感染者の数だけではなくて、医療体制がどうなっているかにも、しっかり目を向けないといけないですよね

冬に第3波か…医療崩壊の可能性は

佐々木恭子アナウンサー:
医療体制について見ていきます。
まずは、東京都の医療提供体制ですが…入院する人のために東京都が確保している病床数は2640床ですが、現在は1034床が使われています。重症の方向けの150床は、そのうち33床。宿泊療養のための1910室のうち382室は埋まっています。
まだ若干の余裕はあると言えるかもしれません

そして、心配なのは北海道の医療提供体制です。
全体の確保病床1811床に対して、11月11日 434人が入院をしている。
そして、重症の方も11人、宿泊療養の方も513人ですが、気になるのは調整中という方が199人いるいうことです。
これは、まだ受け入れ先が決まらないという方や、感染した方の専用タクシーなどが見つからないため、いま調整中で待機をしていることが理由です

加藤綾子キャスター:
この医療体制を見ると、北海道全体ではなく札幌単体で見たときの方がちょっと心配な数字ですよね

佐々木恭子アナウンサー:
半分ほどはもう入院で埋まっているということですね

加藤綾子キャスター:
寺島さん、東京都の場合はまだ余裕があるように見えますが、今後大きな第3波がやってきたときに医療崩壊が起こってしまう可能性も気を付けなければいけないと思うのですが…

東京歯科大学・寺島毅先生:
東京都はまだ少し余裕がありますが、しっかり想定、準備しておく必要があると思います。
これまで第2波も、ギリギリのところでなんとか崩壊せずに済んで来ました。
もちろん第1波、第2波の経験を手に入れていますし、いくつかの治療の選択肢ができました。
しかし、もっと急激に増えたり、冬場は心臓や脳血管障害など他疾患による入院も多い季節なので、こういう要因が加わると厳しくなり得るということは、心づもりしておく必要があると思います。

(「イット!」11月11日放送より)